赤穂の旅はミネラルの旅。
穏やかで優しい表情を見せる瀬戸内の海、良質な食塩泉をたたえ、体を芯から癒しながら、海と空が溶け合う絶景を堪能できる温泉、そして、古くから名産地として知られる塩のほか、ブランド牡蠣やみかんといった豊かな食。
赤穂の地形と歴史が育むミネラルは、疲れた心とからだをやさしく満たしてくれます。
自然が奏でる音に包まれ、心ほどけるミネラルの旅へ。
赤穂の魅力を5つのキーワードでご紹介します。
しおかぜ
The gentle passage of time, accompanied by the sea breeze, is a unique experience that can only be found in Ako.
江戸時代から「ヨキケシキ」と称された眺望が広がる穏やかな海。瀬戸内海国立公園に指定されている赤穂の沿岸部には、印象的な瀬戸内の景色と長閑で豊かな自然が残されています。
また、坂越湾に浮かぶ生島は、秦河勝を祀る大避神社の神地として、人の出入りが厳しく制限されており、国の天然記念物に指定された豊かな樹林が今なお息づいています。
赤穂御崎の海岸では、日本の夕陽百選に選定された美しい夕景に出会えることも。
潮風を感じながらやさしく流れる時間は、赤穂だけの特別な体験です。

赤穂に訪れた際はぜひ、訪ねていただきたいスポットです。
潮風の音をききながらのんびりと過ぎるミネラルストーリーを巡る旅をお楽しみください。



Keyword
癒しの湯
The sunset view from the infinity open-air bath, blending seamlessly with the sea, quietly soothes the soul.
心を解きほぐす温泉時間
赤穂の温泉は、カルシウムとナトリウムを多く含む食塩泉。ミネラルたっぷりの湯に浸かれば、体が芯から温まり、海に溶け込むようなインフィニティ風呂からの夕景が、心を静かに癒します。

郷土の味
Ako's culinary culture, woven with the blessings of nature and local wisdom, offers a unique experience to savor its rich flavors and traditions.
山々と海、そして市の中央部を流れる千種川が織りなす豊かな自然は、赤穂に様々な恵みをもたらしました。
特に、温暖な気候と独自の地形によって古くから行われてきた塩づくりは、江戸時代には「塩の国」として隆盛を極め、赤穂に莫大な富をもたらすとともに日本の和食文化を支えてきました。
また、潮の流れが穏やかな坂越湾には、千種川や湾内の島から栄養豊富なプランクトンが注ぎ込み、濃厚で旨味たっぷりのブランド牡蠣「坂越かき」が大切に育まれています。
そのほかにも、400年以上の歴史を誇る酒蔵の地酒やみかんなど、赤穂の食を巡る楽しみに思わず笑顔がこぼれます。






Keyword
手仕事
One of the joys of traveling in Ako is discovering carefully crafted items that reflect the mindful, everyday lifestyle of the region.
赤穂で出会うのは、手仕事の温もりと自然が織りなす唯一無二の美。糸が紡ぐ柔らかな模様や、炎が描く偶然のアート。それは、時を超えて息づく赤穂の風土そのもの。触れるたび心に刻まれる旅の記憶です。
旅の途中で出会った、
小さなやさしさを連れて帰る。
赤穂の旅では、丁寧な日々の暮らしに寄り添う、こだわりの品に出会うことも楽しみのひとつ。のんびりと街を巡り、紡がれた物語を感じながら、自分だけのお気に入りを探す時間は、心豊かなひと時です。
時を超えて息づく赤穂の風土と、作り手の思いが大切に込められた品々は、触れるたび、味わうたび五感に響き、旅の記憶をやさしい形で心に届けてくれます。


真塩(ましお)・差塩(さししお)
海浜公園内の塩の国に復元された流下式塩田で製造されたかん水(海水を濃縮したもの)を使用し、伝統の平釜で炊き上げた「真塩(ましお)・差塩(さししお)」。江戸時代に主に関西、関東それぞれの土地に合うよう製法を変えて作られた味の違いをお試しください。
伝馬船
〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越2175

播州赤穂の酒 忠臣蔵
1601年、桃山時代に創業し、400年以上の歴史を誇る老舗の造り酒屋。その家屋はかつて大名の本陣に使われたほどの格式を誇り、300年以上前に建てられた酒蔵が今も当時の姿を残しています。黒羽目板と白漆喰、格子窓が美しく調和した伝統的な建築の中では、銘酒『忠臣蔵』の試飲が楽しめます。風情ある空間でお気に入りの一本を見つけ、旅の思い出にぜひお持ち帰りください。
奥藤商事株式会社
〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1419-1

赤穂緞通
赤穂緞通は、鍋島緞通(佐賀県)や堺緞通(大阪府)と並び、日本三緞通の一つに数えられます。一時は昭和末期に廃絶の危機に直面し「幻の緞通」とも呼ばれましたが、現在は新しい織り手たちの手によって復活しています。その製作は、図案や色糸選びからすべてを手作業で行う伝統技法を守り続けるため大変貴重なものです。職人の手が生み出す織物は、柔らかな風合いと美しい模様が特徴で、暮らしに温かな彩りを加えます。
桃井ミュージアム&カフェ
〒678-0215 兵庫県赤穂市御崎634


赤穂大石神社 御朱印
赤穂大石神社では、「大石神社」と記された力強い御朱印がいただけます。忠臣蔵ゆかりの地として大石内蔵助をはじめ四十七士を祀り、境内には関連展示物もあり、多くの歴史ファンに愛される特別な場所です。
赤穂大石神社
〒678-0235 兵庫県赤穂市上仮屋字東組131-7


雲火焼
江戸時代後期から明治初期にかけて赤穂の地で生まれた「雲火焼」。その特徴は、釉薬を使わずとも自然な光沢を帯びる陶肌と、窯の中で生まれる偶然の色彩と文様です。深い赤や橙、墨色が織りなす色合いは、まるで瀬戸内海に沈む夕焼けの空を映し出したかのよう。その美しさには、見る者の心を奪う独特の魅力があります。雲火焼は、一つとして同じ作品がなく、すべてが唯一無二のアート。作家たちの手で生み出されるその作品は、使い込むほどに味わいを増し、日常に特別な時間をもたらします。伝統と偶然が融合した雲火焼の魅力を、ぜひ赤穂で手に取って感じてみてください。
桃井ミュージアム&カフェ
〒678-0215 兵庫県赤穂市御崎634




「義士仇討之図」初代歌川広重
赤穂の記憶 赤穂で巡る自然と歴史の物語
Reflecting on the spirit of Gishi, the loyal samurai that lingers in Ako is yet another captivating aspect of traveling through this historic land.
赤穂は、約8300万年前の巨大噴火による大きなカルデラ跡にできたまちです。
市の中央部を流れ、瀬戸内海へと注ぎ込む千種川流域では、古くから度々洪水が発生した一方、洪水によって運ばれた土砂が、河口部に広大な土地を創り出し、ここに、塩田や城下町が築かれました。
雨が少なく温暖な気候で、赤穂では古くから塩づくりが行われていましたが、江戸時代には、「赤穂流」と呼ばれた入浜塩田を全国に広めるなど、「塩の国」としてその名を馳せました。現在も製塩業が続けられ、赤穂の塩は今なお有名です。
また、赤穂は「忠臣蔵のふるさと」として、多くの人に愛されています。大石内蔵助ら47名の義士により、元禄の時代を騒がせた「赤穂事件」は、300年以上経た今も、忠臣蔵として文芸や演劇などを通じて語り継がれ、日本人の心を魅了し続けています。
脈々と赤穂の地に流れる義士の精神に思いを馳せる、これもまた赤穂を旅する魅力の一つなのです。

「西国名所之内 赤穂千軒塩屋」歌川貞秀

潮の香り漂う道を進むひとときも、
赤穂の旅を彩る大切なプロローグ。
海岸沿いの風景に心を預け、穏やかな坂越湾の気配を感じながら駅を降り立つ瞬間から流れ出す、ゆったりとした時間と、優しく包み込む懐かしい空気感。千種川のせせらぎや瀬戸内の多島美が誘う道のりそのものが、心ほどける特別なひととき。宿に辿り着く前からはじまる、自分だけの癒しの物語を、赤穂で見つけてみませんか。
赤穂市について
赤穂市は兵庫県の西南端、岡山県との県境にあり、まちのほぼ中央を名水百選に選ばれた千種川が流れています。また、南は播磨灘に面し、海岸線は瀬戸内海国立公園の一角を占めています。気候は温暖で雨量が少ない典型的な瀬戸内海型気候に属しています。市域は、先土器時代などの古代遺跡が多く残る北部、河口デルタ上に発達した旧城下町の中心部、塩田の開発によって開かれた南部、天然の良港に恵まれた坂越地区の4つの特色ある地区に大別できます。
電車でお越しの場合
お車でお越しの場合
瀬戸内の風に誘われる、赤穂での癒し旅
瀬戸内海の穏やかな風景と、歴史が紡ぐ情緒あふれる街並み。
赤穂は、心に寄り添うひとときを求める旅人を優しく迎え入れてくれる場所です。
まず足を運びたいのは、広々とした空間が広がる赤穂城跡。
ここで出会う静かな佇まいと青空は、まるで時間がゆっくりと流れる別世界へと誘ってくれます。続く赤穂大石神社では、忠臣蔵にゆかりの深い歴史と向き合い、花岳寺では木々に包まれた境内で心のざわめきが穏やかにほどけていくのを感じるでしょう。
散策に少し疲れたら、茶舗わかさでひと息。ほっとするお茶の香りを楽しみながら、地元の風景を眺める贅沢なひとときが過ごせます。
午後は、きらきら坂から見えるキラキラと輝く海に心を奪われながらのんびりお散歩を。
その先に待つのは、静かで清らかな伊和都比売神社と、高台に佇む灯台。どちらも、日常から離れた穏やかな時間を約束してくれます。
そして一日の終わりは、瀬戸内海を望む宿「潮彩きらら祥吉」へ。インフィニティ風呂から穏やかな海景色と絶景の夕陽を眺めながら、黄金色に染まる海と空が一つに溶け合うような絶景。
ミネラルを感じ心身ともに満たされるこの瞬間は、旅のハイライトとなるはずです。心ほどける特別な時間を求めて、この穏やかな街を訪れてみませんか?
Photo by AYUMI
ミネラルを味わう、赤穂の食を巡るひとときの物語
もしくは、こんな旅は如何でしょう? 瀬戸内の穏やかな風に包まれながら、まず訪れたいのは広々とした景色が広がる赤穂海浜公園。豊な緑と青空と海のコントラストに癒されます。潮風を浴びながらゆっくりと散歩をしていると、心の中にある日常のざわめきが少しずつ静かになっていくのを感じるでしょう。 続いて向かうのは、桃井ミュージアム。赤穂の伝統工芸品や歴史資料が集められたこの場所では、手仕事の温もりや古き良き時代の空気感を感じることができます。ひとつひとつの展示に込められた物語を楽しみながら、旅の出発点として心を整えてみてください。 お昼には、亀の井ホテルへ。郷土料理の塩釜焼は、木槌で塩釜を割るパフォーマンスも楽しく、旬の味覚を楽しむ贅沢は目の前に広がる海の景色とともに、忘れられないひとときとなるはずです。
午後の散策は坂越地区へ。坂越のまちなみは、昔ながらの建物が並ぶ情緒たっぷりの風景。 石畳の道を歩きながら、どこか懐かしい空気に包まれて、奥藤酒造で地酒を味わうもよし、坂利太でイタリアナポリの名物スイーツ「アラゴスタ」を味うもよし、自分だけの物語を紡いでみてください。 その先にある神聖な生島の眺めは、神聖な自然の中で清らかな時間を過ごすことができます。 最後に訪れるのはSakuragumi。日本のナポリとも呼ばれる赤穂で瀬戸内海の景色を楽しみながら、わざわざこの為に遠方から訪れる方も多い石窯のピザとミネラルたっぷりの白ワインでゆったりとした時間を。 夕暮れ時には、海と空が溶け合うような美しい景色が目の前に広がり、旅の締めくくりにふさわしいひとときを演出してくれます。 瀬戸内海の恵みと、そこに息づく歴史や文化に触れるこの旅は、訪れるたびに新しい感動を与えてくれる特別な時間。心と体をゆっくりとほどきながら、静かで温かな赤穂の魅力に浸ってみませんか?